「おっかえり、千秋ッ!!」

「ただいま。何?? すっごく嫌な予感がするんだけど。」

「…あはは。」


何コイツ!!
勘がいいというか…そんな嫌なことではないと思うんだけどね!?


「あたしの記憶!!」

「…がどうかした??」

「どうしたら戻ると思う??」

「…裕介、このバカになんか余計なこと言ったの??」

「余計っつか…”まだ思い出さねぇ??”って聞いた。」


それを聞くと千秋は特大サイズのため息を吐いた。


「美希はろくなこと考えないんだから…下手に刺激しちゃダメでしょ。」

「な゛っ…!!!」


まるであたしが変な生き物みたいじゃん…!!!


「でも本当のことじゃん。」

「っ…。」


まぁ確かにろくなことは考えないかもしれないけどさ…!?

だって記憶…取り戻したいんだもん…。


「記憶ね…。」

「なんか無い!?」

「取り戻そうと思ってそう簡単に取り戻せるもんでもないしね…。」

「千秋のクセになんかいい知恵ねぇの??」

「…そんな言うなら裕介がなんか案出せば??」


…あーあ。
千秋が怒っちゃったよ。


「嘘!! 嘘、悪ぃ千秋☆」

「まったく…。」


記憶…もしもこのまま一生戻らなかったらどうしよう??


「…ダンスでもやってみれば??」

「ダンス??」

「そういやお前、意識戻ってからまだ踊ってないよな??」

「うん…。」


ダンスかぁ。