「っっつ、はぁっ…。お前…今、なにした!?」
俺は今未知の体験をしたのか!?
驚きと、よく分からない胸の高鳴り、疲労感。
一気におしよせる波に体がふらつく。
「なにって、説明すると5時間は裕に越えるぞ、聞くか?」
「いや、…遠慮しておく。」
少女は男のおぼつかない足元をみてそっと手を下に引くと、
いとも簡単に男はその場に力なく座り込んだ。
「はぁ…信じらんねぇ、ありか、ありなのか?」
片手で顔を覆ってぶつくさと気持ちに整理をつけようとする。
少女もその場にしゃがんで目線を合わせた。
「別に…信じてもらおうとして見せた訳ではない。記念だ、記念。」
「まぁ…確かに、人間にはそうそう理解できそうにないことは分かった」
こんなこと口で言ったって分かるはずがない。
「別に、理解してもらおうとも思っていないし、理解できると思うほどお前たちを買いかぶってはいない。」
もとより表情の変化が少ない少女の顔に少しの影がおとされた。