「はぁ…、ったく、帰れよもう。いつも屋上に入り浸って…。」 いったいなにをしてるんだ。 ため息混じりにした質問は、いままで皆が避けてきた質問だった。 その儀式的ななにかが何なのか、この際だから聞いてやる、と半ばやけになっているこの男がまじめな顔で話しだす少女と一歩距離をとるまで後30秒。 「宇宙と交信しているのです、」 「は……」 「と、いったらどうします?」 信じますか? 暫くこの男の開いた口は塞がらなかった。