授業が終わって、給食の時間になった。
手を洗う為に教室を出ようとすると、夏貴と萌乃が話しかけてきた。

「さっき、見てたよ競争♪」
「俺、莉璃のせいでこけそうになった!」
「あたし?!夏貴のせいだよ」
「ちげーし♪」
「ちがくねーし♪」

こんな会話が、何日か続いた。
それが何故か楽しくて…。

少しずつ、夏貴を意識するようになった。
でも、“何か”があたしを止めていた。

『好きになるな』と。

『よく考えろ』と…。