彼女の服はいつも可愛い。
今日は灰色のカーディガンに、黒のプリーツスカート。
そして先の丸い、赤のようなピンクのようなパンプス。
楽で、ひかえめなようで…でも、目につく感じ。
ただの無難な服のようであんなに可愛いのは、もしかしたら彼女が着ているからなのかもしれないけど。
もっとピンクとか白とかのふわふわな感じの服にして、髪も栗色のパーマだったら
どんなに可愛いんだろう。
でも、絶対そっちが似合うのに今みたいなののままなのが、逆に引き付けられる。
カチッとはめ込みきれないところが、また彼女の魅力だと思う。
「うわ、あれあの男
はっちーちゃんに話しかけようとしてない?」
チラチラと見ながら、近づこうとしようとしているような…
でも、何だか怖じけづいている。
そういえば、はっちーちゃんとは、彼女が友達にはっちーと呼ばれているかららしい。
ちゃん付けなのは、私達が友達ではないから。
本名は確か、はち美だかはつ美だか…
「ダメダメ。はっちーちゃん彼氏いるのに。」
えぇっ!!
「彼氏いたの!?」