好きなの?って聞こうとしたのに、
突然涙が出そうになって、言葉が続かなかった。
私は人に涙を見せたことなんか、きっと10年くらいない。
恥ずかしい。絶対見られたくない。
先生と反対方向を向いて、涙を抑えようとした。
いつものように他のことを考えて、他のこと…
あ!オヤジのケツ!
50くらいのオッサンのケツを思い浮かべると、何もかも全ての感情が止むという
あの最強のオヤジのケツだ!!
「はつ美聞いて!」
う…せっかく止んできてたのに
「やだ…」
掴まれた腕を振りきって、部屋の隅に逃げた。
「ちょ…はつ美!」
「やだやだやだ!」
泣き顔見られるくらいなら死んだ方がマシ!
「来ないでよもう!」
「はつ美!」

