「こっから見える景色も随分変わったなぁ〜。」 寂しそうに、でも懐かしそうに洋太郎は笑った。 俺も同じように丘の隅にある白い手摺りに寄り掛かる。 「だな・・・今慎治が戻って来てもどこか分からんな。」 「ははは・・・!」 黒淵眼鏡の下の優しそうな瞳を伏せる洋太郎は小さく笑った。 丘から見下ろす俺達の生まれ育った街は、あの頃とはまるで別物だ。 昔はこんな高層マンションもコンクリの道もなかったはずだ。 「12年・・・か。」 俺は遠い目をして煙草に火をつけた。苦い空気が俺の肺を支配する。