そんな時間もあっという間に過ぎていって、開場間近となった。 「あー何か緊張してきたー。」 私は落ち着かなくなってチラっと時計を見た。 「今日新曲初披露だしなー、俺間違えそうだし…」 少し暗い顔の優貴。そんな優貴を見て崇人が嘲笑うように呟いた。 「精々頑張れよ、チキン野郎。」 「泣きそうな顔してんなよ優貴、弱いなー。」 優貴の肩に手を乗せて翔也が言う。 それは慰めのつもりなのだろうか…? 余計泣きそうだよ、優貴。 私は呆れた目を向けるしかできなかった。