翌日は激しい雨。

雨粒の大きさが日本とは明確に違う。
大きい
ビックリするほど
アメーバ-を連想させる雨粒

隙間なく連打する雨音は低く響くベース音のよう。

あたしは裸でベッドにあおむけになっている。
もう3時間くらい緑色に塗られた天井を凝視している。

ルーム清掃の女がノック数回後ドアを開けて
裸のあたしを見た瞬間、何かを短く叫び出て行った。
プレートをドアノブに掲げなかったあたしが悪い。

眠くはならない。
ただ心地よいだけだ。

雨は衰えを知らない。

まるでマカオという島が地球上に誕生したときから
ずっと降り続けているかのようだ。

ゆっくり陰部に右手をあててみる。
毛があたしの手のひらに触れた。
自慰をしよう
そう思った瞬間、巨大な「音」が鼓膜を揺らした。
落雷だ。
それもかなり近い。
振動は身体を伝い脳を刺激した。

何かの始まり
あるいは
何かの終わりを告げる鐘の音に聴こえた。



あたしは時間をかけて自慰をして

そのまま眠りについた。