ソラ様はあたしの尻を叩き続けてる。
もう40分は規則的な音を〈深海〉の部屋に響かせていた。

ピシャピシャピシャピシャ

強くではないが長時間にわたるスパンキング。
器具を使わず平手によるスパンキング。
それは確実にあたしを濡れさせた。
きっと今の季節、梅雨よりもよく濡れているはずだ。
触れてはいないが判る。
それくらいのことは判る。
そして生理前。
生理直前のあたしは獣。
驚くほど濡れる。

「叩かれている尻の皮膚の表面が乾燥して、
桃の皮のようになってきたよ」

ソラ様はそう言ってケラケラと乾いた笑い方をする。
あたしは桃の皮を想像してみた。
表面の細かな毛。
ビロード地のよう。
あたしの尻はそうなっているのか?

ピシャピシャピシャピシャ

「ほら、呼んでごらん」
あたしは何度も何度もソラ様の名を呼んだ。

ソラ様 ソラ様 ソラ様 ソラ様 ソラ様

「そろそろこの尻も限界だろう?」

ソラ様 ソラ様 ソラ様 ソラ様 ソラ様

ピシャピシャピシャピシャ

「さぁ、もっと大声を張り上げて」

あたしは肺が震えるほど大きな声でソラ様の名を呼んだ。
同時に後ろ手で縛られ尻を突き出した格好のあたしは
ベッドから転げ落ちた。
鈍い音がする。
あたしの体重の音。
目の前をホコリが舞い上がる。

そのカーペットの上に白い液が飛び散った。
ソラ様は呼吸を荒げている。
射精。
男には射精という区切りがある。
SであろうとMであろうと射精する。
ソラ様の射精後の激しい息使いが好き。

あたしはカーペットの染み込みかけた
白く薄い液体を舐めた。

一所懸命に舐めた。