「…本当に、書かなくても良いのか?」
「えぇ。」
「絶対、に?」
「そんな事で嘘付いてどうするんですか」

…これは、ひょっとするとひょっと、する?

「……じゃあ、」

まさか、してくれるんですか?
期待してはならないと思っても、完全に期待している。

「…10分だけ、…してやる…」
「……え…」

まさか、本当にしてくれるなんて思わなかった。
10分、なんて長いじゃないですか。
あろう事か彼のほうを見るとうっすら頬が染まっている。
呆れた様にため息をついて顔を逸らしているが、此方の方が背は高い。
はっきり言って余裕で見える。

今の僕は、絶対間抜けな顔をしている。
頭にじわじわ熱が集まって、口元が緩むのを止められない。