ある晴れた日の午前。
もちろん、授業中である。
私立黒城学院中等部3年、風紀委員長、並びに生徒会副会長である雲霧李央(ウギリリオ)は、一人屋上を目指していた。

母の趣味で長く伸ばされた綺麗な黒髪に赤メッシュ、着崩した制服姿からは、風紀委員長であったり、生徒会副会長だなんて全くと言って良いほど分からないが。
母が異国人のため、瞳の色は透き通った青色だ。
昨日風紀の仕事を遅くまでしていたせいなのか。
恐ろしく眠い。

朝から欠伸が止まらないほどだ。
眠気に勝てず「眠いので寝てきます。」そう言って教室を後にしたのはついさっきの事だ。

副会長兼風紀委員長のため、学校側から貰った屋上のマスターキーがある。
それを使って屋上に入り浸るのは、もう日課のようなものだ。
マスターキーを使い屋上へ続くドアを開けると、さわやかな風が頬を通り過ぎる。

今日は何時にも無い快晴だと、機嫌を良くして寝転がった。
見上げれば青空が広がっている。