もやもや、する。
2人の時間を会長に邪魔されたことが、不快でならなかった。
少しだけ、蓮君を抱きしめると驚いたように僕の腕の中から見上げてくる。
赤く染まった彼の顔が可愛くて。
ますます見られたくないと思ってしまう。

「なぁ、李央。」
「なんですか?」

会長を見ると眉間にしわを寄せてこっちを見ている。
それにさらにイラっとくる自分が居る。
なんなんですか、僕も、会長も。

「そいつってさ。霧雲蓮、だよな?」
「…そうですけど。」
「遅刻、サボり、常習犯の。」

…しまった。
彼は生徒会にも目をつけられていたのだ。
完全に忘れてしまっていたが。

「…どうすんだよそい「僕が責任を持って対処しますから」」

会長の言葉をさえぎる。
何がしたいのか自分でもよく分からない。
ただ、会長が蓮君の名を呼ぶのが嫌だった。

「ふーん、分かった、よろしくな!」

そうは言うものの、出て行こうとしない。
何がしたいのだろうか。
良く分からないけど、今は抱きしめたままで居たいと思う自分が居た。











この出逢いが僕等の関係を崩していく事を。
今の僕等は知らない―――。