「…膝枕、しますか?」
「んぇ、え、あ…うん…」

蓮君が頭を乗せやすいよう少しいすを後ろにやると、すぐ膝の上に頭が乗っかった。
そして彼が“おやすみ”そう言おうとした時。
ドアが派手な音を立てて開いた。

「李央…居る…!?」
「「…へ…」」

蓮君と僕の、間抜けな音がハモった。
飛び起きる、彼。

「ご、ごめっ…邪魔するつもりなかったってか…あの、ごめん!」
「かいちょ、う…」

そう、この黒条学院中等部会長、霧龍隼人、である。
染めたらしい赤の髪に緑色の瞳。
目はカラーコンタクトらしい。

「なんの、御用でしょうか?」
「仕事なんだけど…」
「あぁ、…其処に置いといてもらえますか?提出期限は何時まででしょうか?」
「今日中…だったりするんだけど…」
「分かりました、今日中に生徒会室まで持って行きますね」
「おぉ、頼んだから!」

そう言って会長は仕事のプリントを机の上に置くと蓮君に視線を向ける。
まじまじと見る視線に少しイラっとしてしまった。