静かに彼の言葉を待つ。
自分でも、なんであんな事言ったのか分からない。
反省文の代わりにさせた。
ただ、それだけのことなのに。
眠そうに欠伸をかみしめる彼を見て、何故か御礼をしてあげたいと思ってしまった。
…馬鹿ですか、僕。
これじゃあ、全くさせた意味が無いというのに。

「…じゃあ、…してもらってもいいか…?」

首を傾げてこっちを見る彼。
それを何故か赤面する僕。
おかしい、明らかに、本当に僕はおかしい。
彼を見て、――可愛いと思ってしまった。

「…えぇ、構いませんよ」

動揺を隠すため、普段通り振舞う。
内心、心臓はバクバク鳴っているし、顔も赤いはず。
そんな僕を見て、きょとんとする彼。
気づいては居ないようだが、気づかれるのも時間の問題。
まずい、非常にまずい。

バレるなんて、恥ずかし過ぎる。
そして夢の中の出来事を思い出す。