「……。」
でも、もう少し一緒にいたいというのも事実で。
あと一分…。
あと少しだけ。

温もりを感じたいと思った。

ってのはあるけど、やっぱり緊張には勝てない。

「…おい、もう10分たったぞ。」

そう言って肩をたたけば、雲霧はゆっくりと目を開いた。

「あ…、10分…、ありがとうございました…。」

本当に10分たったと思っているのか、
優しく微笑むとそっと体を起こした。

俺もいつもは寝ている時間だからか、
眠さが最高潮に達していた。
小さく欠伸をかみしめると、視線を感じ、
目を向けると雲霧にじっと見つめられている事に気付いた。

「………えーっと、何…?」
「あ、いえ…。眠いなら…。」

続きを言いづらいのか、少し頬を染めたまま黙り込まれた。
いやいや…、何が言いたい…。

「あの…。」
「はぁ…。」

自分でもアホらしい返事だとは思ったけど。
それ以外返すすべがなくて。

「眠いなら、お礼に膝枕しましょうか?」
…きっと俺が飲み物を飲んでいたら吹き出していたんだろうな…。
何て事を考えるぐらい、意外だった。
お礼に膝枕って…。
俺はただ反省文書くのが嫌でしたのに…。

だけど、断ることができない。
何故か分からないけど…。

してもらってもいいかなって思ってる自分がいた。