信じられなかった。
夢かと思うほど。
夢だと言ってくれた方が納得できたとさえ思う。

何せ、鬼の風紀委員長と呼ばれた男が
俺の膝の上で眠っているのだ。
絶対友達に言っても信じてくれないだろう。

柔らかそうだと思って触れた
髪はすごくサラサラしていた。
怒られるかなと思ったけど…。

擦り寄られた。

さすがに照れたというか…、
恥ずかしくなって制止の声はかけたが、
もう寝ていたのか反応はなかった。

すごく…、心臓がドキドキする。
おかしい…、何でこんなに心臓の鼓動が速いんだろう。

相手は自分の天敵の風紀委員長。
しかも…、男だ。

俺、どうしたんだよ……。

訳が分からなくなって、思わず
撫でる手を止める。