その夜、 ウィーン 「いらっしやいま… かん吉さん?」 かん吉はレジでヒマそうにしている翼を見てニヤリと黒い微笑みを浮かべると、いきなり翼の腕を掴みズルズルと店の外まで連れていった。 「か、かん吉さん?」 ガタイのいいかん吉に見据えられて少しだけ恐怖にかられる翼。 かん吉は怒鳴る。 「お前ら!!!!何があったんだ!?」 翼の顔にはてなマークが浮かぶ。 「…お前らって?」 「お前と杏だ!!」 「杏ちゃんが、…どうかしたんですか?」