君への距離~クリスマスの奇跡~

「…シオ?」



翼はキョトンとしてみるみる小さくなっていくシオの背中を見ていた。



(腹…減ってんのかな?)


翼は染みるような寒さのなか勝手にそう解釈した。



翼はスポーツバックの中からつぶれたクリームパンを取り出した。

「パン、持ってるよー!!」



叫びながらパンを上にあげて軽くふる。