君への距離~クリスマスの奇跡~




「洋ちゃーん!!…あ!翼くん!?」






杏は翼がいるのに少し驚いて2人のほうへパタパタ走ってきた。







「ちょっともー空気読みなさいよ!」



理不尽な洋子の叱咤にしばし呆然とするも、

杏は申し訳なさそうに翼の隣に座る。






「何にもされてない?…お兄ちゃんに」






「大丈夫だよ!




でも凄い偶然だよね?

杏ちゃんの地元って富山でしょ?」








「うん!


まさか一番厄介なお兄ちゃんに会うとは…」







「福引きを引き当てたの!あたしがね♪」








「やってくれるね、洋ちゃん!」





杏は苦笑い。

翼はゲラゲラ笑った。