「あ…れ、シオのケータイ…」
「中塩くんなら今、水島くんたちとコンビニに行って…
あ!帰ってきた!代わろうか?」
ケータイ越しに賑やかな声が聞いてくる。
「すーんごく怒ってるけど♪」
「やっぱりいいや…」
くすくすとリサの笑う声が聞こえる。
「杏は?元気、だろうけど…翼くんや周りの人に迷惑かけてない?」
「…お母さんみたい」
翼も笑う。
「うん、大丈夫だよ」
「よかった!
…あ!はーい、今開けまーす!」
どうやらみんなが部屋に戻ってきた様子。
「あ、切るね?
シオには電話あったって言わないで!」
リサの笑い声が大きくなる。
「分かりましたー♪」
「じゃあ…」
翼が電話を切ろうとしたとき、
「あ!待って?」
「え?」

