「洋子ぉー、お前勝手に行っちゃダメだぞ?タオルも持たずに…
1人じゃ危ないからお父さんと一緒に入るんだ!」
どこかで聞いたことある理由で少女をしかる男に背を向けて杏は翼を押して逃げるようにと、必死でアイコンタクトをおくる。
翼はさらに困惑する。
「…杏?」
「う゛…」
杏は硬直して首をふる。
「やっぱり杏だ!」
男は杏を覗き込んで笑顔になる。
「杏~!!久しぶりだなぁ、ん?またさらにかわいくなってぇ~、人形みたいだなぁ♪人形か?ん?」
杏をぎゅ~っと抱きしめながら機関銃のように喋る男に翼はムッとして睨んだ。
「もう、ほんとに杏は俺に似て素直ないい子だからなぁ!
変な男にひっかか…
…ん!?」
やっとそこで翼の存在に気づいた男は、鬼のような形相で翼を見る。
「お前…、
オイ、杏!
こいつ知り合いか?」
ビシッと翼を指差し男は杏に聞く。
「杏の彼氏だって!」
その質問にさらりと洋子が答える。

