パタパタパタ
「杏ちゃん!」
もう少しで女湯の入口というところでなんとか杏に追いついた翼。
「ハァ…杏ちゃん、何も持たずに出て行くんだから!
はい、タオル!」
「あ!あはは、忘れてた」
杏はケラケラ笑う。
「部屋の露天風呂入れば良かったのに!
昨日みたいに…」
翼がニヤニヤしながらそう言うと杏はまた頬を染めて焦る。
「昨日は遅かったから…暗かったし!
あんな恥ずかしいこと、朝にできない!…てかもうできない!」
「えー、たまにはいいじゃん!
一緒にお風呂♪」
翼がニコニコ顔でそう言ったところで、2人はやっと下から見上げるような視線に気付く。
「あ、杏だ!」
2人が振り返るとそこには3歳くらいの女の子。
杏を指差している。
「…洋ちゃん?」
「杏、久しぶりじゃん!」
「……え?知り合い?」
まるで友達のような少女の態度に翼は困惑。
「こっちのおにーさんは、杏の彼氏?
イケメンじゃん、あたしのタイプ!」
「「……」」
2人とも唖然としている。
「あ…この子は、
えっと、あたしのおに…」
「洋子ー!!」
杏が説明しようとしたそのとき、その少女の父親らしき男が現れた。

