「おはよ!」
翼が隣でぼんやりと目を覚ました杏に言った。
部屋にひかれた二組の布団のうちの一つで2人は眠っていた。
「ん―…」
「んー、杏ちゃんもう9時だよ」
翼はニヤニヤしながら言った。
昨日、杏が旅館を出る前にもう一回お風呂に行きたいからと、早めに起きると言ってかけたアラームは翼を起こした。
「お風呂…行くんでしょ?」
翼はくすくす笑いながら杏の神妙な顔を覗き込む。
「んん…
そうだ!お風呂!!」
バッとはね起きて、翼をじーっと眺める杏。
「翼くんが…早起きしてる」
「昨日寝たの3時過ぎてたのにね!」
翼がニヤニヤしながらそう言うと、
杏は頬を真っ赤にして目を背けた。
「お風呂入ってくる!」
杏はそう言って立ち上がるとスタスタと部屋を出て行った。
「ふふふ、
…あ!?」
あることに気づいて、翼は走って杏を追いかける。

