君への距離~クリスマスの奇跡~

シオの部屋、




「…んん、」


太陽が一番てっぺんまで登った頃に、シオはやっとお目覚めだ。




リサは嬉しそうに振り返る。


「おはよ!」



「…え!リサちゃん!?」


いるはずのないリサの姿にシオは驚いて、必死で昨夜の記憶を辿る。



―昨日は結局、マサキんちに寝場所がなくなって帰ってきたんだ。




で、そのまま眠ったはず!




うん、何もしていないぞ!




「ピンポン鳴らしても起きなかったから勝手に入ってきちゃった♪…カギあいてたよ?」


リサは顔を真っ赤にしながら言って、シオをうかがう。



「そっか~…っぬお!?」

シオは時計をみて絶句する。



13時25分、





「ごめん!リサちゃん!」



「え?」



「今日、どっか行くつもりやったやんな?」



「…」



「よっしゃ!どこ行く?


ぶっ飛ばせばどこだって行けるで?」


シオはニヤリと笑った。




「ふふふ、ありがとう!



でもいいの…!中塩くんがいればいいの!!



どうせ遠出なんか出来ないし♪」



リサは真っ赤なままそう言って笑った。