君への距離~クリスマスの奇跡~




「翼くん免許持ってたんだ!もー!!」



杏は1番の不安事項が解決されて元気を取り戻した。




「う?…うん、高3のときだからね!杏ちゃん、知らなかったんだ…」



―じゃあ、今までずっと原付、無免で乗ってたと思ってた?






「もー、びっくりしたぁ!!まさか車まで無免許運転するのかと思った♪」




「いくらなんでもそんな度胸ないよ…」



―とりあえず杏ちゃんのテンションが上がって良かった…





「じゃあ、



この盗難車で、どこへ行くの?」



杏はニッと笑って言った。



翼もニッと笑って答えた。

「島根県!」





後部座席では2人の大きな荷物が寄り添うように揺れていた。