君への距離~クリスマスの奇跡~



シオの部屋




「中塩くん!…ぉ-ぃ」


未だに爆睡するシオをリサが呆れ顔で起こしにかかった。



「ん…あと5…10、じゅっぷん…」




「はあ…、5分?10分?」

寝ぼけるシオにリサは極力優しく声をかける。





「…ごじゅ…っぷん」




「…!?」



リサはあきらめてキッチンに戻る。


作りかけの2人分の朝ごはん…




―ネイルがはげちゃうから、あまり料理は好きじゃない。


得意でもないし。



だけど今日は、我ながら頑張った。





見た目も可愛いしさ。



「どっか行こうって…言ってたのになぁ~」




リサは料理を仕上げて、それにラップをかけると2つとも冷蔵庫に入れた。




シオの眠る部屋に戻るとリサはシオを見て微笑む。




―せめて、あなたに話しかけられるくらいの距離にいさせて。



目が覚めるまで待つから。




目が覚めたら一緒にごはんを食べて、



寝過ぎだよって笑い合おう。




どうせ遠出なんか出来ないしね♪