君への距離~クリスマスの奇跡~



午前11時





トン、トン、




爆睡中の杏の肩をそっと叩いている翼。




周りも未だに眠ったまま。



「ん-…」



杏は起きない。





ぺち、ぺち、




作戦変更、

今度は頬を優しくはたく。




「ん…ふふ」




起きるどころか不思議な微笑みさえ浮かべる杏。





(こうなったら最終手段!)





ゆっさ!ゆっさ!





「…?????????????」




いきなり夢の中から引っ張り出されて分かりやすく困惑する杏。




「し~!」


人差し指を唇にあてて翼はニヤリと笑った。




「みんな起きるとやっかいだからさ!行くよ!」




「え、ちょっ…!」