大学の友達と飲みに行って帰る途中。

キャバで働いていた頃、出勤中にタクシーから見た流れる風景の一部だった場所。

明るい時間に見るとものすごく古くて汚らしいのに、暗くなると派手な看板達が輝き綺麗だった。

風俗街。

裏通りからこっそり帰る、化粧の剥げた女。

2年前、ハタチの私はそんな女達を間違いなく軽蔑していた。

どんな事情があれ、気色悪い男達とヤルなんて有り得ない、と。

なのに-----

金を稼ぎたくてキャバで働き始めた私は、太い客を掴みたい為に気に食わない中年男達と寝るようになった。

同じ店にそんな子がいっぱいいた。当たり前のことだった。

愛のないエッチをすることが当たり前になり出した時、店を辞め、今の店に入った。

愛のないエッチには慣れていたはずなのに、1晩で多い時は7人の相手をする生活は予想以上にきつかった。

でもキャバで働いていた頃にはどんなに頑張っても稼げなかった額が手元に入ってきて自分の見た目にかなりのお金を使うようになって今に至る。

お金を掛ければある程度の人が美しくなるのは、周りの女や自分を見ればはっきりと分かる。

でも高価な体のラインを綺麗に見せる服や高級ブランドのバッグやたくさんの化粧品でどんなに外見を取り繕っても、中身はどんどん黒い塊がたまって行く気がしてる。

そして、その塊は岩盤浴やジムに通って汗を流しても排出出来ないでいる。

そんな自分を好きになれるワケがない。

「レイカちゃん、もうすぐ着きます。」

飯山がミラー越しにレイカを見た。

「悪いことじゃない、って思いたい。必要としてる男もいるんだから。ただ---。」

「まともな男はあんまり客として来ないけどね。」

レイカがいつも通りの明るい表情に戻った。

ホントに綺麗な笑顔。風俗で働いているには綺麗すぎる・・・

ヒロユキは。

今の私を知ったらどう思うんだろう?