鳥の唄

だけど、その音は隣にいる身勝手な人間によって消されてしまう。


「秋が入れる確率はどれくらいなんですか?」


高い、よく通る声だった。


もちろん僕は事前に母と父に進学について話し合っていた。


そのことに納得もしてくれたし、隣に座って先生とにらめっこをしている母は応援までしてくれた。


冷たい風が吹いた。


まるで何か嫌なことを運んでくるかのように、耳元を通りすぎる。


母の質問に対する回答は、「このままいけば、確実でしょう。」だった。


僕の言葉への回答は…なかった。