「おい」

「んー?」

「手、怪我してんの?」


ビクっと私の体が反応する。


「………な……んで?」

「包帯してるからさぁ…」

嫌だ…

嫌だ…

なんで、また思い出しちゃうの…


「べ、……別に大丈夫………」


1番、触れてほしくなかったよ…


「…ふーん」

「………」


また、ゆっくりと息をして気持ちを落ち着かせる。


「つーかさぁ、そろそろ名前教えてくんない?」


壱輝になら、教えてもいい気がする…


何故か直感で、そう思った。



「…ひ………な…の」

「え?何?」


今度は、落ち着いて、はっきりと話す。


「…ひなのだよっ」

「ひなのかぁ…俺の名前……」