部屋の中に、鈍い音が響くと同時に頬に鋭い痛みが走る。

私の瞳には、泣いている真理子。
私を、殴って苦しそうに泣いている真理子が写る。


「いい加減にして!なんで親の勝手な理由で子供死ななきゃいけないの!?それは、愛情じゃない!あんたの愛情は、歪んでる!!」

「わ、私は………「産むのが怖いからって、みんなに拒絶されるのが怖いからって、赤ちゃんのせいにして、殺そうとするなんか人間のすることじゃない!!!!」


そこまで言うと、真理子は声をあげて泣き始めた。



私は、弱いから逃げる。
強くなりたいよ。




「真理子、落ち着け」


達樹に抱きしめられ、嗚咽を漏らす真理子を見て胸が痛んだ。


「ひなのも、壱輝も1回落ち着け…………、とりあえずさくらちゃんに報告行くぞ」


淳司のひとことで、みんなが立ち上がる。


私は、時間が止まった気がした。

みんなで過ごした日々が、よみがえる。


あんなに、楽しかった日々は嘘のように重苦しい雰囲気が流れたいた。