「…は?ちょっと待てよ、父親の俺は、無視かよ」
今まで、聞いたこともない壱輝の低い声。
本気で怒ってる。
…でも、子供が子供なんか産めない。
もう決めたんだ。
今、生まれてきても赤ちゃんは、幸せになれないから。
だったら、生まれてこない方が幸せなんだ。
「子供が子供を、産めるはずない」
「………」
「今、生まれてきても赤ちゃんは、幸せになれない、だったら生まれてこない方がいい、これでも親としての愛情なの」
「っざけんなよ、お前のここに俺達の子供いんだぞ」
壱輝は、私の制服をまくりあげて、お腹を見る。
「居るよ、でもこの子は、まだ世界を知らない、幸せも不幸も……、だから、今のうちにおろしてあげた方がいい」
「………いい加減にしろよ」