今日もまた、何事もない平凡な1日だと思っていた。

私は、本当に平凡な中学2年生だった。

それなりに告白されて。
それなりに告白して。
それなりに失恋して。
それなりに友達もいて。
それなりに楽しい中学校生活を送っていた。



「ひなの~♪おっはよん」

いつものように、親友の真理子と一緒に登校して。

それなりに、青春enjoyして。



「今日さー、風真先輩見れるかな?」

「ひなのは、ホント風真先輩一筋だね」

「うんっ♪」

「あんた、ちょーモテるのに…もったいない……」

「私は、風真先輩以外興味ないもん」

「…はい、はい」



風真先輩。

私が、恋してる先輩。

最初は、ホント小さなことだった。


「風真!待てよ~」

「早くしいろよー」


こんな、なんでもない会話が聞こえてきた。



…風真?
かわった名前だなぁ。

どんな人なの?



そう思って振り向くと、見た目が不良っぽい美形な先輩。



「あの、先輩って悪いの?」

「悪いよー」


不良って、なんだか怖いけどかっこいい。なんて思ってしまってたんだ。


これが、地獄への最初の道。