お母さんを見る。

「もしご近所さんにバレたらお母さん・・大変だわ・・・」

あたしじゃ・・ないの・・・?

あたしのこと・・心配してくれないの・・・?

「いい?奈緒。誰にも言わないでね?」

なんで・・?

お母さんは・・あたしよりも近所の目を気にするの・・・?

「・・はい・・」

あたしはそう言うしかなかった。

階段をのぼろうとすると直樹が駆け寄る。

「お姉ちゃん、ご飯食べないの?」

「うん・・。お姉ちゃんお腹痛くて・・。直樹、お姉ちゃんの分も食べていいよ・・」

「うん!」

直樹はリビングへ駈けていった。

あたしはベッドの枕に顔を埋めて大声で泣いた。

もうあたしを守れるのはあたししか居ない。

あたしは1人で戦う。

誰も信用出来ない。

お母さんも。

その時、凪斗の顔が浮かんだがすぐに消し去った。

その日から、あたしは変わった。