「校門のところに、変な男がいるらしいよ。今、先生達が様子見に行ったってさ」

あの水曜日、

帰り支度をノロノロとしていたあたしに、親友の桃花ちゃんが近づいて来てそう告げた。

「あたしはこれから部活だけど、順は帰るでしょ?

気を付けてね」

桃花ちゃんとあたしは、親友と言っても、ちょっと不思議な関係。

女子校特有の、なんでもグループ行動、の基本から外れた、彷徨える小惑星的、桃花ちゃんとあたし。

別にグループの対立に巻き込まれるとか、仲間はずれにされてるとか、そんな状況ではないけれど。

いつでも何処でも、誰かと繋がっていないと不安とういう、そういう少女心理に当てはまらないという小惑星的存在。