このまま電車に乗るのも、気不味いだろって、流石の俺でも感じたさ。

で、そのまま駅を通り越して、兎に角落ち着いて話せる場所を目で探した。

視線の先、路地の向こうに公園が見える。

「こっちだ」

「もう逃げないから、この手、離してよ!」

あ、手?

手ね……

勢いついた俺の手にはまだあいつの尻尾がきっちりと握られていて、情けない格好でその下に奴がぶら下がってるって格好だ。

「あ、悪い。

つい、力入っちまって……」

俺は静かに、その手を放した。