携帯小説的恋

「へぇ~」

「ほんと、あたしも、へぇ~って思っちゃいました。

見掛けと全然違うなって。

開いた教科書にも、熟語の意味とか、関係文献の名前とか、なんか一杯書き込みがしてあって。

勉強してるんだぁ、ってまた驚いちゃった」

「ふぅん」

「で、それから、ちょこちょこ話すようになって。

って言っても、挨拶交わしたり、宿題の話とか、そんな片言なんですけど。

ちょっとだけ、月人君って良い人だな、もっと仲良くなりたいなって思い出して、

こないだ遊園地に誘おうって勇気を出して……

でも、あっさり断られちゃった」

星野さんが、舌をちょこっと出して、ニッコリ笑った。

「あ、ごめんなさい」

あたしは思わず謝ってた。

だって、なんだか、あたしの方がお邪魔虫みたいな気がしちゃったから。