携帯小説的恋

「学校での月人君って、どんな感じなのかなぁ」

あたしは唐突に呟いた。

だって、なんだか凄く気になった。

「あ、それってやっぱり気になります?」

「う、うん……」

「学校での月人君は、いっつも眉間に皺寄せて怖い顔してる、超硬派な、見た目ヤンキーです。

うちの学校って、割と優秀な進学校でしょ。

真面目な生徒が多くて、髪染めてたり、耳にピアスしてる子なんて滅多にいないから、ある意味目だってます。

身体もおっきいしね」

「うん、わかる。いるだけで目立つよね」

「あたしも、初めて隣りの席になった日は、ちょっと怖くて声も掛けられなかったんです。

でも、授業が始まって……

あ、あたしって見た目と違って、凄くおっちょこちょいで、よく教科書とかノートとか忘れちゃうんです。

で、その日も国語の授業で、教科書忘れちゃって、どうしようって困ってたら、月人君が突然机をくっつけてきて

……教科書を真ん中に置いて見せてくれたんです」