携帯小説的恋

「ええぇぇ~

ほんとですかぁ~

あの月人君が携帯小説読んでるんですかぁ~

『つきひと』なんて名前、ちょっと浮世離れしてるじゃないですか?

てっきりハンドルネームの別人って思ってました。

えっ、てことはですね、

コンビニで出会った時、月人君は佐々木さんが『J』だってわかってたんですか?

それって、ダブルで運命ですよね。

彼女がいるってだけでも驚きなのに、あぁ、もうイメージめちゃ狂ってます。

電波障害受けた感じですよぉ~」

星野さんは、そう捲くし立てると、

可愛い仕草で頭の上に、指でアンテナを一本立てて見せた。