そうだよなぁ、

俺がこいつの携帯小説に惹かれたのも、

妙に真面目なストーリー構成な割りに、時折急展開する茶目っ気たっぷりな意外性だった。

あの小説は順そのものだったんだ……

「ねぇ、次は何乗る?」

順の問いかけに、俺は我に帰った。

「<バンジージャンプ>」

俺は決意新に、立ち上がった。

今日のこの順との関係を、今日だけで終わりにしたくはない。

<バンジージャンプ>は、その俺の決意表明みたいなもんだ。

清水の舞台から飛び降りる気持ちで、順に告白する。

それに比べりゃ、

<バンジージャンプ>なんて大したもんじゃねぇだろう?

順はそんな俺を、びっくりした顔で見つめていた。