恭平の卒業 合格

そして引越しと


奈々さんが戻ってきて
忙しく走り回っていた。


私はここを貸家にして
もう少し交通の便のいいマンションを
借りることにした。



父と恭平が結託して
「一人暮らしは物騒だから
一軒家はやめなさい」


そう言って
私はマンション暮らしをすることになった。




父が合流して
先に私が家を出ることになった。




懐かしい家の
思い出のしみついた部屋たちに
お別れを言った。


リフォームして賃貸にするらしいから
壁の落書きも消えてしまう。


私は携帯におさめて回った。



「少しの間
留守にするね……」




私の家にバイバイした。



恭平が一緒に車に乗って
ついてきた。



「なんか寂しいわね……」



バックミラーを何度も確認した。




「恭平と一緒にのんだコーヒー
またいつかバルコニーで飲もうね。」