夜の待合室は静かだった。
眠れない人がやってきて
それぞれいろんなことを考える場


そのひとけのないトイレで
芽理衣は手首を切った……


私たちは病室に入って行った。

中には甲斐がいた。


恭平が


「何してんだよ・・・・」
声が震えていた。


「おまえ……真凛
ひとりにして…母親だろ?
許せない……よ……」




「ヘイ・・・・・」
芽理衣は顔をくしゃくしゃにして
泣き顔になった。



「ごめんね・・・・」
芽理衣が包帯の巻かれた手首を
恭平に差し出した。


恭平はその包帯に静かに口づける。



「もう…ダメだって……
もう全部投げ出したくなって……」



「わかったよ・・・・
芽理衣は一人で戦ってたからな。
可哀そうだったな・・・・」




「ヘイちゃん……
もう私……疲れちゃったんだよ…」


恭平が芽理衣の額に口づけした時
私は静かに顔をそむけた。