「ムカつく!!
人バカにして……
おまえ……さ……」

その時今度は 浩二郎の携帯が鳴った。



「出れば?」


「いい…」
浩二郎の顔がこわばった。


「早く出てよ。
私も同じことするから…」



「また連絡する。
そんときゆっくりはなそう。
落ち着かないとお互い誤解したままになるから」




 え・・・・・・


浩二郎が車に戻ったと思ったら
車を走らせた。



 ちょ…ちょっと……


私は訳のわからない場所で
置いてけぼりになった。


幸いなことにショルダーバックは
ちゃんと肩から下がっていたけど…

雪が……
地下鉄駅には……
どうしよう………


 ここはどこ?


「落ち着け・・・・
落ち着け・・・・」



そう言い聞かせた。