私は断じて透真のことを気にかけてるわけじゃない。
心の中で園長さんの言葉を否定しながらも、また象舎へと向かっている。
私も言動がブレてるかも。
自分で自分にツッコミをいれながら、観覧バルコニーから象舎の中を見下ろした。
透真は黙々と仕事をこなしている。
が、やはりデラとの間の距離はしっかりと保っていた。
しばらくしてデラが、ドサドサと巨大なフンをした。
透真はそこに長い温度計を突っ込んだ。
そしてその温度計を見ながら、日誌のようなものに何かを記入している。
なるほど。
象の検温ってああやってやるのか。
体内から排出されたばかりのものだから、正確な体温がわかるのかも知れない。
目からウロコ。
透真、だいぶサマになってきたじゃん。
相変わらずビクッてるけど。
思わずふふっと含み笑いをしてしまった。
その時、ブ―――……ン、ブ―――……ン、とポケットの中のケータイが震えた。
アドレス帳に登録していないアドレスからのメール。
誰だろう。
開けてみると、短い文章。
『プライムトライスター アネックス 3005』
トライスターは地元の人間なら誰でも知っている高級タワーマンションだ。
奇抜な形とホテル並みの設備で、竣工前に全戸完売したという人気物件。
間違いメールかな。
そう思ってケータイをポケットに戻しかけたとき、今度は着信音。
―――この電話番号……。
たしか、昨日かかってきた番号と同じ。
―――鳴沢先生だ。
額にイヤな汗が浮かんでくるのを感じた。
心の中で園長さんの言葉を否定しながらも、また象舎へと向かっている。
私も言動がブレてるかも。
自分で自分にツッコミをいれながら、観覧バルコニーから象舎の中を見下ろした。
透真は黙々と仕事をこなしている。
が、やはりデラとの間の距離はしっかりと保っていた。
しばらくしてデラが、ドサドサと巨大なフンをした。
透真はそこに長い温度計を突っ込んだ。
そしてその温度計を見ながら、日誌のようなものに何かを記入している。
なるほど。
象の検温ってああやってやるのか。
体内から排出されたばかりのものだから、正確な体温がわかるのかも知れない。
目からウロコ。
透真、だいぶサマになってきたじゃん。
相変わらずビクッてるけど。
思わずふふっと含み笑いをしてしまった。
その時、ブ―――……ン、ブ―――……ン、とポケットの中のケータイが震えた。
アドレス帳に登録していないアドレスからのメール。
誰だろう。
開けてみると、短い文章。
『プライムトライスター アネックス 3005』
トライスターは地元の人間なら誰でも知っている高級タワーマンションだ。
奇抜な形とホテル並みの設備で、竣工前に全戸完売したという人気物件。
間違いメールかな。
そう思ってケータイをポケットに戻しかけたとき、今度は着信音。
―――この電話番号……。
たしか、昨日かかってきた番号と同じ。
―――鳴沢先生だ。
額にイヤな汗が浮かんでくるのを感じた。



