6人で帰りようになったのは、美紗と星良が付き合い始めた頃からだ。


元々仲のいい6人だったから、一緒に帰ることには、そこまで抵抗はなかった。















始めの5分ぐらいは6人で歩くものの、しばらくすると美紗と星良は2人で歩きだし、





礼奈と幸二は塾が一緒だから、お互い分からない所を教えあってるし、













最終的に残るのは優菜と憧だった。














そして、今日もいつもの様に
2人ずつに別れ始めた。










優菜は、憧と並んで歩いた。









『優菜、勉強してるか?』憧が優菜を覗き込みながら聞いた。







『ぜんぜん』優菜は即答だった。


『実感わかないよな、あと1週間で試験なんて』憧はなぜか空を見上げながら言った。



『…うん』優菜は合わせてうなずいた。















『おい、優菜見ろよ。虹だぜ』
憧は興奮気味で優菜に言った。






『すごーい、大きいね』優菜も空を見上げた。










虹は大きく、2人の上を覆うように大きなアーチ状になっていた。