立ち上がる事が出来ないあたしの腕を蓮が掴んだ。


見上げると、口角を上げていて、蓮と視線が絡む。


「立って」


ふるふると首を左右に振るあたし。


腰がね?


「……立てない……」



ふっ、と一瞬笑って


「キスだけで腰抜かしてんじゃねぇよ。ほら、来い」


「や、あっ、ちょっと…」


……お姫様抱っこされた。



当然顔はすぐそこにあるわけで。


今された…キスを思い出したら、凄く恥ずかしくて。



………顔が超熱い。



蓮の首に両手を巻き付けたまま俯いた。






でもそれが良くなかったんだよ。



リビングに運ばれるんだと思ってたのに………



「ぎゃー!なんでこっちなのよぉ!」



ベッドの上に投げられた。