首を傾げるしかないあたしを、上から下まで見てくる。
まるで品定めでもされてるみたいな…。
奏くんの視線に戸惑っていると
「俺達はね？人に素の自分を見られちゃいけないんだよ」
って寂しそうな目をして呟いた。
「だけど、姫華ちゃんは素の蓮を知ってるんだもんね？
楽屋に入れてもらえるのも時間の問題だよ」
って。
今度はまたあの眩しい笑顔で言ったから……。
ドキッとしてしまった。
だから油断した。
「俺も姫華ちゃん気に入った！」
って言って、またあたしを抱きしめたから…
「しつこい」
もう一発蓮にゲンコツを落とされてた。
