俺様☆姫様★王子様 2 【完】


「そんなに睨むなよ、俺の所為じゃない」


シャツの胸ポケットに手を入れて、小さな四角い箱を取り出す。



「そんなんじゃわかりません。ちゃんとわかるように言ってください」


天宮社長はその箱から一本の細長い物を取り出し、口にくわえる。


カチッ、カチッと何度か火花を散らして火を灯すと、先端に近付けた。


そんな一連の動きを見守りながら、あたしは次の言葉を待つ。



ふぅ、


ため息よりも深呼吸するみたいにして、白いものを吐き出した。

あたしはモクモクと立ちこめる紫煙を見ながら、じっとその時を待った。




二口吸ったところで、ようやくその口は言葉を紡ぎ始める。



「あのな、姫華…」