俺様☆姫様★王子様 2 【完】



「あ…………、泣き止んだ」


口はあんぐり、目はぱしぱし。人差し指であたしを指した。


なに……?



っていうか、そんなことどうだっていいい。


「蓮はっ?ねぇ、社長!蓮はどうしちゃったの?さっきって、会ったの?ねぇっ!?」


勢いが止まらないあたしに、驚いたまま社長はフリーズ。

お説教中なのはちゃんとわかってる。
だけどあたしの耳は蓮しか聞き取れないの。

今は蓮が気になって、気になって仕方ない。



ついさっきまで脳内を支配してたデパ地下の事なんて、すっかり頭から消えていた。








「………そう言うことか」


少し間を開けてから、ふぅ、と肩を下ろす社長。

心なしか…笑ってる?


いえ、笑うとこじゃないから。天宮社長?あなたこそ空気読んでよ。


そんな思いを込めて、イケないとわかっていながら、社長を睨む。

ぼろぼろ溢れていた涙の洪水は、いつの間にか蓋をされていた。